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第5回「等号がつく,つかない」


<例題1>
x についての不等式
  x^2-(a+1)x+a<0,3x^2+2x-1>0
を同時に満たす整数 x がちょうど3つ存在するような定数 a の値の範囲を求めよ。

<解答>
x^2-(a+1)x+a<0 から (x-a)(x-1)<0 …(1)
また 3x^2+2x-1>0 から (3x-1)(x+1)>0 ゆえに x<-1,1/3 [1] a>1 のとき,(1) から 1      よって,4 [2] a=1 のとき,(1) から解なし。
[3] a<1 のとき,(1) から a よって,-5<=a<-4
[1],[2],[3]から -5<=a<-4,4

 

麻 夫 君
[1]で,4 < a < 5 のときは確かに成り立つことはわかるのですが,4 の方には等号がないのに,5 には等号がつくというのが,どうしてかわからないんです。[3]も同じです。

ヒカル先生
ここは確かにわかりにくいところだね。次のような問題も同じわかりにくさがあるよ。

<例題2>
x^2+16x+63<0 を満たすすべての実数 x について,x^2+3ax-10a^2>0 となるような実数 a のとりうる値の範囲を求めよ。


<解答>
x^2+16x+63<0 から (x+9)(x+7)<0
 よって -9 < x < -7 …(1)
x^2+3ax-10a^2>0 から
 (x+5a)(x-2a)>0 …(2)
[1]a<0 のとき
  (2) から x < 2a,-5a < x
  (1) がこの範囲に含まれるとき
   -7 <= 2a であるから a >= -7/2
  よって,-7/2 <= a < 0    
[2]a=0 のとき
  (2) から x は 0 を除く全ての実数。
  (1) はこの範囲に含まれる。
[3]a>0 のとき
  (2) から x < -5a,2a < x
  (1) がこの範囲に含まれるとき
   -7 <= -5a であるから a <= 7/5
  よって,0 < a <= 7/5
[1],[2],[3]から -7/2 <=a<= 7/5

麻 夫 君
この問題もそうですね。[1]で -7/2 < a < 0 が条件を満たすことはわかりますが,-7/2 に等号がつくのがわかりにくいです。

ヒカル先生
ところで,「a >=1 」というのは,「a > 1 かつ a = 1」のことだろうか,それとも「a > 1 または a = 1」だろうか。

麻 夫 君
???

ヒカル先生
これは,「a > 1 または a = 1」が正解だ。そもそも,「a > 1 かつ a = 1」などという数はないよね。a が 1 か,1 より大きいことを「a>=1」と表すんだ。

麻 夫 君
わかっているつもりで使っていましたけれど,ちょっと自信をなくしました。

ヒカル先生
結構,多くの人がしっかり理解をしないままに記号を使ったり,言葉や公式を使っているのが現状だけどね。しっかりと意味を理解することが大切だ。これは,数学に限ったことではないけれど。


# by ohasa1031 | 2006-01-07 13:10

第4回「和の法則は何のためにあるの?」


<例題1>
大小2個のさいころを同時に投げるとき,目の和が5の倍数になる場合の数を求めよ。


<解答>
目の和が5になる場合は,
 (大,小)=(1,4),(2,3),(3,2),(4,1)の4通り
目の和が10になる場合は,
 (大,小)=(4,6),(5,5),(6,4)の3通り
これらは同時には起こらないので,和の法則より4+3=7通りである。


麻 夫 君
このような「個数の処理」の範囲で出てくる「和
の法則」というのは当たり前すぎませんか。どうしてこんなものが必要なんですか。

ヒカル先生
確かに上の例題などは,何も知らない中学生でも
正解を出せそうだね。でも,次のような問題ではどうかな?


<例題2>
大小2個のさいころを同時に投げるとき,目の和が5の倍数になるか,または,10以上になる場合の数を求めよ。


麻 夫 君
和が5の倍数になるのは,例題1より7通り,
和が10以上になるのは,
(大,小)=(4,6),(5,5),(6,4),(5,6),(6,5),(6,6)の6通りだから,
目の和が5の倍数になるか,または,10以上になる場合の数は,例題1の結果と合わせて,7+6=13通りです

ヒカル先生
本当かい?

麻 夫 君
違いますか?
あれっ,和が10になる場合
(大,小)=(4,6),(5,5),(6,4)
は,目の和が5の倍数になる場合にも,目の和が10以上になる場合にも含まれていますね。それなのに,ただ足したのでは重複して数えることになってしまいますね。

ヒカル先生
その通り。単に足して良いのは「同時に起こることがないとき」なんだね。これが「和の法則」の心だよ。それでは,もう1題考えてみよう。


<例題3>
大小2個のさいころを同時に投げるとき,目の和が偶数になる場合の数を求めよ。


麻 夫 君
目の和が2になる場合は(大,小)=
 (1,1)
目の和が4になる場合は(1,3),(2,2),(3,1)
目の和が6になる場合は(1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)
目の和が8になる場合は(2,6),(3,5),(4,4),(5,3),(6,2)
目の和が10になる場合は(4,6),(5,5),(6,4)
目の和が12になる場合は(6,6)
これらは同時に起こらないから
1+3+5+5+3+1=18個です。

ヒカル先生
ご苦労様。しかし,次のように考えるともっと簡単に数えられるよ。

目の和が偶数になるというのは,「2個とも奇数の場合」と「2個とも偶数の場合」があるね。

2個とも奇数の場合,大きいサイコロの目の出方は1,3,5の3通りあり,それぞれについて,小さいサイコロの目の出方も3通りある。したがって,積の法則により3×3=9通りだ。また,2個とも偶数の場合も同様に9通りであることがわかる。
そこで,この2つの場合を考えると,決して同時には起こらないから,和の法則により,
9+9=18通りとして良いことになる。

麻 夫 君
これは,簡単ですね。

ヒカル先生
このように簡単に考えることができたのは,適切な「場合分け」のおかげなんだ。

麻 夫 君
2個とも奇数の場合と2個とも偶数の場合とに分けたということですね。

ヒカル先生
この問題のように,うまく場合分けができると複雑な問題も簡単になる。そして,その場合分けをするときに大切になるのが,「和の法則」のキーワード「同時に起こることはない」なんだ。

麻 夫 君
なるほど,「和の法則」の大切さがわかったような気がします。ただ,場合分けは一通りではないのですね。なかなか奥が深そうだ。

ヒカル先生
その通り。この奥の深さが「個数の処理」の面白さでもある。


# by ohasa1031 | 2005-10-24 22:25

第3回「必要条件って,どうして「必要」なの?」


<例題>
nが偶数であることは,nが6の倍数であるための必要条件か,十分条件か。


<解答>
 必要条件である。


麻 夫 君
これは知っていますよ。記号「→」で表すと,
 「nが6の倍数 → nが偶数である」
というように「nが偶数である」に矢印が向かっているので,「nが偶数である」であることは「nが6の倍数」であるための必要条件なんですよね。

ヒカル先生
形式的には知っているんだな。じゃあ,必要条件って,どうして「必要」と言うんだい?

麻 夫 君
えっ?だから,矢印の向きが…

ヒカル先生
確かに矢印の向きというような方法は必要条件か十分条件かを見分けるのに便利ではある。でも,意味がわからないで使うのは感心しないな。

麻 夫 君
でも,教科書には,
 命題「AならばB」が真であるとき,
   BであることはAであるための必要条件
   AであることはBであるための十分条件
 という。

としか書いていませんよ。

ヒカル先生
そう言えば,そうだな。じゃあ,説明しよう。よく聞いていろよ。
「nが偶数であることは,nが6の倍数であるために少なくとも必要なことである。」……わかったかい?

麻 夫 君
ちょっと待って下さいよ。……わかった。nが偶数であることは,それだけでnが6の倍数であるということにはならないけれど,6の倍数になるためには少なくとも必要なことではあると言うんですね。

ヒカル先生
そうだ。だから,nが偶数であることを必要条件と言うんだよ。

麻 夫 君
「少なくとも」という言葉を付け加えると途端にわかりやすくなりますね。十分条件も同じように言えるのですか。

ヒカル先生
言えるよ。
「nが6の倍数であることは,nが偶数であるためにそれだけで十分なことである。」
だから,十分条件さ。

麻 夫 君
nが偶数であることを知りたいときに,nが6の倍数であるということがわかれば,他に何も情報はいらない。それだけで十分ってことですね。「それだけで」を入れてみるとわかりやすくなります。

ヒカル先生
必要条件・十分条件は,形で判断するだけになってしまい,意味を理解していない人は多い。意味をないがしろにすると,それは数学ではなくなってしまう。ところで,意味がわかったならば,次の段階として,形で判断するということはむしろ積極的に身につけてもらいたい。

麻 夫 君
何故です。常に意味に戻ればわかりそうですけど。

ヒカル先生
もちろんわかるけど,結構エネルギーがいる。というのは,一生懸命に考えなければならないからね。その先にもっと考える必要がある課題があるときには,そこに至る前に疲れ果ててダウンしてしまうかもしれない。そこで,形式的に扱っても正しく判断できる場合はそれで良しとして,その先の課題を解決するためのエネルギーをとっておくんだよ。

麻 夫 君
そうか。形式的に扱うということも,意味がわかっていれば悪いわけではないのですね。


# by ohasa1031 | 2005-10-23 01:43

第2回「2次不等式 x^2-4>0 を解け。」


「2次不等式 x^2-3>0 を解け。」のつもりだったのですが,ルートがきれいに表示されないので「2次不等式 x^2-4>0 を解け。」に変えました。まあ,言いたいことは同じですので……
(注) x^2 という表記がありますが,これは x の2乗の意味です。

<例題>
 2次不等式 x^2-4>0 を解け。


<解答>
 x^2 > 4 より x > ±2


ヒカル先生
こういう解答って結構多いんだよね。麻夫君はどうだい?

麻 夫 君
えっ,どこがおかしいんですか?

ヒカル先生
おいおい,困った奴だな。 x > ±2 ということは,x が 2 より大きいのかい。それとも,-2 より大きいの?いったいどっちなんだ?

麻 夫 君
うーん,言われてみれば何かおかしい。

ヒカル先生
何かではなくて,訳がわからん!

麻 夫 君
そんなに怒らないで下さいよ。だって,2次方程式のときなら,x^2-4=0 を解くとき,x^2=4 から x=±2 で良いですよね。それと同じように解いただけですよ。

ヒカル先生
x^2=4 から x=±2 とするのは,平方根の意味を考えた解き方だ。
つまり,「2乗して4になるのは何だろう?」という問に対して,「それは,4の平方根なので±2です。」と答えた訳だ。
しかし,x^2>4 から x>±2 となると,今のような意味がなくなるだろう。これでは,形式をまねただけだから,おかしいことが起きてしまったんだ。
同じ解くという言葉に惑わされて,2次方程式を解く方法を,よく考えもせずに2次不等式を解くことに使ってしまった結果起きた誤りなんだ。

麻 夫 君
そうなんだ。では,どのように解くんですか?

ヒカル先生
少しは考えろよ。前回のようにグラフを利用すると良いだろ。
前回,数学では言葉の意味をきちんと理解していることが大切だと言ったけど,解くときも意味を考えるのが大事なんだよ。形だけ覚えるのは危険なことがよくあるから注意しなよ。もっとも,ときには形から入る方がわかりやすいこともあるけど,そういうときでも時期が来たら意味を理解したいね。

※ 次回は,形式的に覚えがちな「必要条件・十分条件」の意味について考えます。では,また。

# by ohasa1031 | 2005-10-22 00:42

第1回「2次不等式がグラフで解けるのはなぜ?」


教科書だけでは,高校の数学を理解するのはたいへんですね。
私(ヒカル先生)とかわいい(?)教え子の麻夫君が,数学を頑張ろうというあなたを応援します。よろしくお願いします。
(注) x^2 という表記がありますが,これは x の2乗の意味です。

<例題>
 2次不等式 x^2+2x-3>0 を解け。


<解答>
y=x^2+2x-3>0 のグラフをかくと y>0 になっているのは,

x < -3,1 < x なのでこれが解である。


ヒカル先生
多くの人は上の解答で疑問を持たないと思うのですが,なぜ x < -3,1 < x が解なのでしょうか。麻夫君,わかるかい?

麻 夫 君
それは,y>0 になっているからですよね。

ヒカル先生
では,どうして y>0 なの?

麻 夫 君
もとの不等式が大なりゼロ(>0)となっているからです。

ヒカル先生
どうして?

麻 夫 君
どうしてって・・・大なりゼロ(>0)のときはグラフが x軸の上になっている x の値の範囲が答だって覚えたんです。まずかったですか?

ヒカル先生
まあ,結果はそうだけど,理解が今ひとつ不足しているようだね。
これは次のように考えるんだよ。

まず,不等式 x^2+2x-3>0 を解くとは,「不等式 x^2+2x-3>0 を満たす x の値の範囲を求める」…(1)ことだ。
そこで,y=x^2+2x-3とおくと,(1)は「不等式 y>0 を満たす x の値の範囲を求める」となる。
だから,グラフを見て y>0 となっている x の値の範囲が解なんだよ。

麻 夫 君
「…を満たす x の値の範囲を求める」という言葉を補って考えると,随分意味がわかりやすくなりましたね。何となくわかったつもりになっていたものが,ハッキリとわかったような気がします。

ヒカル先生
そうだね。単に「解く」とは数学でよく使う言葉だけど,わかっているようでわかっていないことが多いんだよね。「x の不等式を解く」とは「不等式を満たす x の値の範囲を求める」ということなんだけど,質問してみると,きちんと答えられない人が多い。数学では言葉の意味をきちんと理解していることが大切だということだよ。

※ 次回は,「解く」という言葉に惑わされて間違う人が多い問題である「2次不等式 x^2-3>0 を解け。」について考えます。では,また。

# by ohasa1031 | 2005-10-20 23:20




高校の数学がよりよくわかるような話をしていきます。
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